特別寄稿
桜井産婆学校のこと
吉川 龍子
1
1元:日本赤十字看護大学図書館
pp.616-621
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900135
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東京の隅田川のほとり,両国橋に近い日本橋区矢ノ倉町(現・中央区東日本橋1丁目)にあった桜井病院は,第二次世界大戦中の空襲で焼失し,現在はその跡をとどめないが,4階建て近代建築の大きな産婦人科病院であったことは,今なお地元住民の記憶に残っている。
かつてこの桜井病院に産婆学校が付設されていたことを知る人は少ない。桜井産婆学校と通常よばれていた同校は,関東大震災(1923年,大正12年)で病院が全焼した際に閉校となったからである。桜井郁二郎が創設したこの学校は,全国の私立産婆学校の中でも創立時期が古いので,助産史,看護史の教科書や書籍に記載されている。
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