焦点 文化人類学的研究方法
報告
「近代産婆」に関する研究とそのプロセス
西川 麦子
1
1大阪大学人間科学部博士課程
pp.229-239
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900250
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はじめに
日本の出産は明治以後,伝統的出産から西洋医学を取り入れた近代的出産へと急速に変化した。特に大正,昭和期においては,一般によく知られていることだけでも,多産多死から少産少死へ,産めよ増やせよの時代から受胎調節の普及へ,産婆・助産婦による分娩介助から医師の立ち会いによる分娩へ,そして,出産場所も各家庭から施設へと,出産をめぐる状況はめまぐるしく変わった。ここではまず,日本の出産の変化と深くかかわってきた助産職について,その変遷を概観し,筆者が研究の対象としてきた「近代産婆」とは何を指すのかについて説明する。
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