インターホン
産婆見習考
森崎 寛子
pp.554-555
発行日 1981年7月25日
Published Date 1981/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205883
- 有料閲覧
- 文献概要
好きでなった助産婦の道であったのに,病院という大きな流れ,稀薄な人間関係の中で,自分自身を見い出せなかったという不満と,事を始めたりやめたりするにあたり,自分の内での哲学のつみ重ねがほしかったという勝手な理由づけで,某助産院に産婆見習として住みこみ始めた。
私自身,生物学的尺度によると,そろそろ,いや,すでに,いわゆる"出産適齢期"を越えかかっている。産まない,産めない,まだ産まない,というこの年齢の女性に対する世のひややかな目も私は気にいらない。"母性""賢母"といったたぐいの言葉にも少々居心地の悪さを感じることもある。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.