特集 妊娠中毒症—最近の考え方
母子保健統計からみた妊娠中毒症
松山 栄吉
1,2
1東京厚生年金病院産婦人科
2東京都社会保険指導部
pp.472-477
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900109
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はじめに
妊娠中毒症は妊娠合併症のもっとも重要なものの一つとして,現在でも産科臨床上大きな意義を持っていることには変わりない。それは単に妊婦の合併する頻度が高いというばかりでなく,母子ともにいろいろな障害を与えられ,妊産婦死亡や周産期死亡の主因を占めてきた。
妊婦の妊娠中毒症の合併率は,妊娠中毒症の定義や症状のとり方によって左右されること,また地域差が大きいことなどから,客観的に表わすことはむずかしい。厚生省統計情報部が毎年発表する人口動態統計では,妊産婦死亡と周産期死亡が報告されているので,それを参考に妊娠中毒症の統計,とくに年次推移について眺めてみたい。
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