母子保健統計からみた周産期医療の変遷

はじめに

　わが国における母子保健対策は，戦後における乳児死亡率の減少を目的として展開され，その結果，国民の生活水準や保健衛生の水準の全般的向上とも相まって，乳児死亡率は，1950（昭和25）年の出生1000対60.1であったものが，2021（令和3）年には1.7まで低下するなど，母子保健水準は世界のトップレベルにまで成長してきている。わが国の母子保健に関する歴史や現状について数字として知っておくことは，今後の研究活動や各自治体における母子保健施設の立案に際して重要である。