特集 母親と助産婦のきずな
これからも助産婦—妊産婦の言葉に支えられて
伊藤 憲美
1
1(財)田附興風会北野病院
pp.277-281
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900062
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助産婦になって10年,なぜ私はこの仕事を今日まで続けることができたのだろうか。
私は助産婦学校時代から,「産婦が主体的にお産に臨めるための援助」ということを大切にしてきた。そのために,妊産婦の意識調査をしたり,施設内での看護の限界を感じ,妊産婦がより求めているものを…と妊娠初期からの「受け持ち制」を導入して,病棟全体で取り組んでみたりしてきた。こうしてあっという間の10年であったが,その間,私が助産婦としての「想い」を持ちつづけてこられたのは,お産を1つのステップとして,何らかの新しい1歩を歩みだしている人たちと出合い,関わりを持つことができ,そういうところに,助産婦として,また働く者としての喜びがあったためだろうと思う。妊産婦と助産婦のきずなが今回の特集テーマであるが,私がこの仕事を続けてこられた基本姿勢は,まさにそこにあるのかもしれない。
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