連載 気功の精神世界・11
気配り過剰をやめる
津村 喬
1
1関西気功協会
pp.172-173
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900038
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くつろいで立って腕を前後に振り続けるスワイショウという気功は,この連載のはじめのほうで紹介しました。肩がだんだんほぐれて,首や胸が楽になり,消化器が活発になってきます。やりはじめてしばらくは自分の中でだんだん変化して気持よくなっていく感覚だけで「おお,すごい」という感じですが,長期間やって慣れるにつれて,本当の変化は脳の中でおこっていることに気がついてきます。はじめて15分もたつと,全身が特別なオーラに包まれたようになり,腕の前後の動きが「どくっ,どくっ」という見えない胎児の鼓動のように思え,自分の中で宇宙が孕まれているような気持になってきます。人が人でなく,天になる瞬間です。
こういう感覚のときは,まだ自分で試したことはありませんが,脳波を測れば日常とはずいぶん違う状態に変化しているはずです。事実,スワイショウに限らずさまざまな気功で脳波が大幅に変化して,「非日常状態」になることが実験的にも確かめられています。
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