特集 現代父性論
父性開眼記
佐藤 育男
1
1川崎協同病院産婦人科
pp.20-25
発行日 1990年1月25日
Published Date 1990/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900007
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父親になってまだ1年少々の私のような若輩者が,幾多の諸先輩方を差し置いて,父性開眼の記録について書くなどは非常におこがましいのですが,恥ずかしながらフレッシュマンとしての感想を述べさせていただきます。
私とひとり娘の真依子との出会いはいかにも感激的なものでありました。現在1歳5か月になる彼女と初めて会ったのは,2年少々前になります。計算が合わないと思われるかも知れませんが,昔の人には想像もつかない超音波画像をとおしての対面ならではのことです。日頃は業務上見慣れている曲玉のような胎児も,これが私と妻の合作第1号で,画面の向こうで一生懸命動いている姿を日の当たりにすると,私の顔もにやついてきました。現在では,私に限らず普通のお父さんでもこのような体験はいつでもできます。これで親子の対面を半年も早めることができます。このことは父性の目覚めにも影響があるかも知れません。
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