特集 現代父性論
雄・男・父
大島 清
1
1京都大学霊長類研究所
pp.26-31
発行日 1990年1月25日
Published Date 1990/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900008
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きずな
個体間のきずなは無数にあるが,ここでは雄(男),雌(女),子供間のきずなについて考えてみよう。まず「一次のきずな」がある。父と子のきずながなかった時代でも母と子のきずなは存在した。つまり一次のきずなとは,長期間相互的に交わる愛情を介する雌と子供の関係である。
ニホンザルの世界でも,母ザルと子供の関係が密で,父ザルはいない。このきずなは直接生物的な条件で生み出される。
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