Medical Scope
パピローマウイルスの母子感染
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.171
発行日 1989年2月25日
Published Date 1989/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207569
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新生児や1歳未満の乳児の呼吸がおかしいとき,あるいは気道閉塞を示すとき,喉頭乳頭腫Laryngeal papillomaという腫瘍が喉頭にできていることがあります。この喉頭乳頭腫という腫瘍はウイルスによってできることがわかっていましたが,どうやらその感染源は母体であるらしいことが確実になりました。
女性の外陰部や腟,子宮腟部には尖圭コンジローマや扁平コンジローマという小さい腫瘍ができることがありますが,この原因は,腫瘍ウイルスといわれているDNAウイルスの1つであるヒトーパピローマウイルス(HPV)の感染なのです。尖圭コンジローマは皮膚の腫瘍で,放置しておくとかなり増大することもあり,ことに妊婦では早く増大する傾向にあるのですが,通常分娩後には自然に消失します。
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