今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで
性感染症と産婦人科疾患
3.子宮頸癌とパピローマウイルス
前田 信彦
1
,
南 邦弘
2
,
熊本 悦明
3
1四国中央病院産婦人科
2札幌東豊病院産婦人科
3札幌医科大学泌尿器科
pp.35-37
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904225
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近年,日本においては集団検診の普及により進行子宮頸癌患者数は減少し死亡率も低下しているが,高度異形成.上皮内癌は増加しその発症年齢も若年化している.一方,ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)のDNAが子宮頸癌,子宮頸部異形成に高率に検出され1),さらにHPVが遺伝子レベルで細胞を腫瘍化させる機序も断片的にではあるが証明されており2,3),現在,HPV感染は子宮頸癌発症の最大の危険因子であると考えられている.
そこで最近の性行動の自由化,多様化に伴い,若年層における性感染症(sexually transmitteddisease:STD)としてのHPV感染症の蔓延から引き起こされてくるであろう子宮頸癌の発症年齢の若年化が危惧されている4,5).
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