Japanese
English
綜説
ヒト・パピローマウイルス感染症
Human Papillomavirus Infection
北村 唯一
1
Tadaichi Kitamura
1
1東京大学分院泌尿器科
1Department of Urology, Branch Hospital, Faculty of Medicine The University of Tokyo
キーワード:
パビローマウイルス
,
ウイルス感染症
,
尖圭コンジローマ
Keyword:
パビローマウイルス
,
ウイルス感染症
,
尖圭コンジローマ
pp.819-827
発行日 1992年10月20日
Published Date 1992/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900692
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Human papillomavirus(HPV)感染症は,現在までに約70種のタイプが知られている.6型,11型は良性で顕性であり,いわゆる尖圭コンジローマの原因ウイルスであり,Lowrisk groupとされている.これに対して,16型,18型は子宮頸癌と密接な関連があり,臨床的には不顕性の flatcondybloma の原因ウイルスであり,high riskgroup とされている.陰茎のacetowhitelesionを検索すると,flat condylomaが高率に発見され,また男女パートナー間のウイルス型の一致率が高いので,男性器ががHPVの感染源(res-ervoir)となっていると考えられている.潜伏部位としては,第一に亀頭や陰茎皮膚であるが,尿,精液,前立腺なども感染源に擬せられている.しかし,尿,精液,前立腺の関与に関しては今後の研究にまたねばならない.また,陰茎癌のHPV検出率は42%であり,子宮頸癌のそれ(約90%)に比べて低ぐまた発生率も少ない.陰茎癌におけるHPVの関与に関しても,今後の研究課題であろう.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.