特集 産科と小児科--看護の継続性を高めるために
周産期医療の現状と課題
小川 雄之亮
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.614-620
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207434
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はじめに
新生児の管理は出生とともに始まるのではなく,胎児期から十分な管理が行なわれることが望ましいことは広く理解されている。新生児医療の著しい進歩にもかかわらず,生まれてから行なう諸種の「後障害なき救命(intact survival)」への努力には限界がある。ハイリスク妊娠を早期から管理し,そのリスクを軽減することなどを中心とした出生前からのintensive care(集中ケア)が必要であることはいうまでもない。
そのためには胎児管理,分娩管理,新生児管理を一貫して実践することが必要であり,それを目的とするものが母子医療センター,周産期センターと呼ばれる施設である。わが国においてもこのような名称のセンターがいくつか作られており,また特別な名称はなくても同様の機能を有する施設が少しずつ整備されてきている。
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