特集 婦人科手術患者へのアプローチ
術前・術後患者の身体的・精神的全体像の特性および心身医学的アプローチ
和田 生穂
1
,
郷久 鉞二
1
,
橋本 正淑
1
1札幌医科大学産婦人科学教室
pp.738-743
発行日 1987年9月25日
Published Date 1987/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207212
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はじめに
子宮は女性にとって女らしさの象微のように位置づけられている臓器であり,子宮全摘出術(以下,子宮全摘)を受ける,あるいは受けた女性は他の臓器に対する手術の場合と異なる心理背景を有すると考えられる。そして,婦人科の手術後,特に子宮全摘後になんらかの精神的あるいは身体的異常が多発するという報告は以前から多数見うけられる。実際,札幌医科大学産婦人科心身症外来では,外来を受診している患者全体の25%が子宮全摘を受けており,また更年期障害として治療を受けている患者では実に43%が子宮全摘を受けている。したがって,子宮全摘をする場合に,患者にとって心身医学的配慮が大変重要であろうと考えられる。また,このことは医師にとってもちろん重要な役割を含んでいるが,実際の臨床の場において患者と直接接触する看護婦にもケアの面において大きな役割が期待されているのである。
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