特集 婦人科手術患者へのアプローチ
婦人科手術;術前が大切
佐々木 静子
1
1賛育会病院産婦人科
pp.730-737
発行日 1987年9月25日
Published Date 1987/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207211
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はじめに
子宮筋腫は産婦人科手術の30〜40%を占めるポピュラーな疾患で,良性で摘出も短時間ですみ,ほとんどの患者さんは2週間前後で回復し退院していく。悪性腫瘍のように,術後長期間の化学療法の必要もなく入退院を繰り返すケースもない。だから子宮筋腫手術は問題のあまりない疾患と感じるかもしれない。
しかし"命とひきかえに行なわれる"手術でないことと,子宮という臓器が対象であるがために,子宮筋腫手術には独特の問題がつきまとってきたように感じられる。子宮筋腫の治療についての考え方をはじめとして,手術適応,保存治療,悪性化,術式,卵巣の処理,後遺症などにいまだに明解な答えは出されないまま,年間15万人以上の女性が子宮摘出手術を受けているという実態がある。
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