指標
思春期への心身医学的アプローチ—性教育における心身医学的配慮の重要性
岡村 靖
1
,
川野 秀昭
1
,
浜崎 勲重
1
Yasushi Okamura
1
1産業医科大学産婦人科学教室
pp.277-283
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206596
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はじめに
戦後36年,青少年を含めて国民の生活が物質的に豊かになるとともに,贅沢に慣れ,質実剛健の気風は失せ,少年の非行はふえ続け,戦後最悪の事態となっている。また,非行が低年齢化し,学校および家庭内における暴力の多発が憂慮される状況となっている。他方,未婚思春期女子の妊娠が増加の一途をたどっていることも,日本の将来を思うとき,心痛むものがある。
筆者は九大在任中,7年間にわたって,全学女子学生の健康相談担当医師として,多くの女子学生の健康相談を引受け,これら女子学生の治療と健康の保持に努力してきた。また,中学,高校,大学および職場にある若い女性の性教育にたずさわる機会もしばしばである。以上の経験から,本稿では,思春期の心身医学について,筆者の考え方も含めて述べたいと思う。
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