連載 母乳育児Q&A
Q おっぱいが出過ぎるときの対応策は
根津 八紘
1
1諏訪マタニティークリニック
pp.1019
発行日 1986年11月25日
Published Date 1986/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207008
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A 母乳育児を推進するために,私たちは今まで乳汁分泌を促進することをめざして邁進してきた感があります。しかし,それは自動車の運転にあたって,あたかもアクセルの踏み方だげを教えてきたのと同じだといえましょう。ある程度指導が行き届いてきた現在,今度は母乳が出過ぎてこまるという悩みを持ったお母さんたちに多く出会うようになりました。それは母乳の出を抑える方法,すなわらブレーキのかけ方を知らなかったからです。今回は,そのブレーキのかけ方についてお答えしようと思います。
母乳分泌促進のために私たちが行なってきたことは,①乳房マッサージ,②適度な回数の直接母乳③後搾りにより乳房を空にするということでした。ですから母乳の分泌を抑えるためには,これらの逆を行なえばよいわけです。すなわち,まず乳房の血液循環を良好にするための乳房マッサージ,特に基底部マッサージを止めることです。次に必要以外の直接母乳,すなわち,泣けば飲ますというような頻回授乳は止めます。そして,最も大切なことは後搾りを適当にしておくということです。
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