Medical Scope
臍帯血流障害とvariable deceleration
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.179
発行日 1985年2月25日
Published Date 1985/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206602
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胎児心拍数図の変化の1つに変動一過性徐脈variable decelerationというのがあり,日常の臨床では臍帯脱出などの異常のときに典型的なものがみられます。このvariable decelerationは,臍帯が何らかの原因で圧迫されて臍帯血流が障害されたために発生するものですから,臍帯脱出などの異常なときだけでなく,ほとんどの正常分娩例でも分娩第1期の後半から第2期には出現してきます。このvariable decelerationの出現してくるはじめの心拍数の減少の様子から,臍帯血流のどんな部分が圧迫されているかが分かるようになりました。今月はその話題です。
もう一度,variable decelerationの出はじめの部分を細かくみてみましょう。基準胎児心拍数レベルからストンと心拍数が下降しvariable decelerationに移行しているものと,いったん基準胎児心拍数レベルより増加してからvariable decelerationとして下降してくるもの,すなわちvariable decelerationの始まる前にアクセレレーションがある場合の2つがあることに気がつくと思います。
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