今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か
治療効果のモニタリング
24.臍帯,脳,腎血流
石松 順嗣
1
Junji Ishimatsu
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.336-337
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900786
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はじめに
超音波パルストンラ法を用いることによって容易になおかつ無侵襲に人体の血流を計測することが可能になった。近年では産科領域においても胎児血管,臍帯血管の血流計測が行われるようになり,臨床面においても応用されている。胎児血管や臍帯血管の計測においては測定条件を一定に設定しにくいことから,測定条件に左右されにくい指標として,resistance index(RI),Pulsatihtyindex(PI),A/B ratioなど血流速度の比で表現される指標による解析が主流となっている。血流速度は心拍出量,血管壁のコンフライアンス,血液粘稠度,血管径の影響をうけ,これらの指標は血流計測部位より末梢の血管抵抗に大きく影響されると言われている。この項ではこれらの指標を用いた人胎児における計測値の変化を中心に解説する。
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