今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
IV 産科における超音波診断─妊娠中・後期
[胎児の血流計測と循環機能評価]
1.臍帯動脈の血流計測とその意義
村越 毅
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター周産期科
pp.662-665
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102353
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臍帯動脈血流異常(拡張期途絶・逆流)を認めたときの診断および評価のポイント(単胎)
・胎児発育不全(fetal growth restiriction : FGR)に臍帯動脈拡張期途絶(umbilical artery absent end-diastolic velocity : UA-AEDV)もしくは拡張期逆流(umbilical artery reverse end-diastolic velocity : UA-REDV)を認めたときは,胎盤機能不全などによる慢性的な胎児の低酸素やアシドーシスを疑う.
・FGRにUA-REDVを認めたものはUA-AEDVよりも胎児死亡の頻度は上昇する.
・FGRにUA-AREDVを認め,かつ,静脈管の心房収縮期の途絶もしくは逆流を認めた場合は,胎児死亡のリスクはさらに上昇する.
・FGRを認めない単独のUA-AREDVでは胎児形態異常などの精査が必要である.
・FGRを認めない単独のUA-AREDVは胎盤機能不全と関連しないこともあり,胎児well-beingの評価法としては推奨されない.
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