ケース・レポートを読んで 産科医の立場から
最近の極小未熟児の保育について
藤井 明和
1
1東海大学医学部産婦人科学教室
pp.339-341
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205049
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1.はじめに
最近の産婦人科・小児科学の進歩で,極小未熟児(1,500g以下)の保育の成績は向上し,種々の報告がみられる。このケース・レポートも在胎27週(7か月),740gにて出生した症例であり,いろいろな問題を提起している。
① 極小未熟児保育の進歩であり,その成功例である。② 昭和41年母子保健法が実施され,その第15条には,「妊娠したものは速やかに,保健所を設置する市においては保健所長を経て市長に,その他の市町村においては市長村長に,妊娠の届出をするようにしなければいけない」とあるが,妊娠8か月以降の届出は5%前後あり,このケースも母子健康手帳の交付を受けていない。③ 高年初産・貧血・前期破水等の医学的管理に関する点,人工妊娠中絶,飲酒・喫煙等この妊婦の生活環境も問題となる。
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