特集 地域母子保健への取り組み
地域母子保健への参加に関する全国助産婦学生の意識調査
烏丸 文子
1
1神奈川県立看護教育大学校教育学科
pp.656-660
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206288
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はじめに
伝統的にわが国の分娩は,自宅分娩や助産婦における分娩であったが,近年施設内分娩へと移行し,『国民衛生の動向』によれば,昭和55年度には,99.5%が施設内分娩となっている。これに伴い助産婦の就業構造も大きく変化し,昭和55年度の厚生省の統計をみても,全就業助産婦の60.9%が施設内勤務者となっている。
しかし一方,都市偏重型の住民構造や,核家族化,婦人の職場進出等,母子をとりまく社会環境の変化はめまぐるしく,それに伴い,助産婦の役割も単に分娩介助のみにとどまることなく,医療施設または,地域における母子保健指導の専門家として働くことを強く要請してきているように思われる。これは,WHOの報告にもあるように,助産婦業務に対する社会のニードであり,母子保健向上のためには施設と地域における母子保健管理の推進が求められているのである。
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