特集 地域母子保健への取り組み
訪問指導車による家庭訪問活動
保坂 久
1
,
渡辺 環
1
1保坂産婦人科小児科医院
pp.652-655
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206287
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はじめに
近年,日木の母子保健は著しい発展を遂げ,特にここ10数年来の母子保健統計はその成果を如実に物語っている。しかし,日本の経済が豊かになるにつれて,人々の健康への関心度も高まり,健康を幸福の最も大きな条件とする考え方が定着するに及んで,医療のあり方も,疾病の治療から,予防への医療へと,次第に移行するようになった。われわれ一開業医といえども,単に院内での母子保健指導にとどまらず,それぞれの妊産婦が置かれている生活環境や,経済状況,精神的・肉体的条件等を積極的に把握して,それに適した具体的な保健指導を行なわなければならない時期にきていると思われる。
母親教室やその他の保健指導の場に,積極的に参加するような妊婦たちは,それなりに自分の健康は自らの手でと,受け止め,真剣に学びとろうと考えているが,ごく一部にはいまだに,医師や医療機関に頼り,自らを顧みない人たちがいることも事実である。このような人たちはまた逆に,医療事故や医事紛争を引き起こす人たちでもある。
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