産科内分泌学入門・2
妊娠の維持と分娩の発来[1]—妊娠の維持
安水 洸彦
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.409-413
発行日 1983年5月25日
Published Date 1983/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206239
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子宮とはまったく不思議な,とてつもない器官である。どんどん成長していく胎児を保護しながら,胎児に何のストレスもかけずに急速に肥大,膨張する。最大となった時は,重量で非妊時の10倍,容積にいたっては実に500倍にもなる。そして時期が熟せば全精力を費やして,胎児とその付属物を娩出する。
数ある器官・臓器の中でも,これほどのドラマチックな働きをするものはちょっと類がない。数ミリリットルの精液を排出するのが関の山という男性にとって,この女性特有の恐るべき生殖能力は,一種の畏怖として映る。
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