特集 男性における"父親アイデンティティー"
『スウェーデンの実験』を読む—(竹崎孜 著・講談社現代新書)
米林 喜男
1
1順天堂大学医療社会学
pp.919
発行日 1982年11月25日
Published Date 1982/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206118
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福祉大国を名実ともに築きあげたスウェーデンは,今日までに,数々の斬新な社会的実験を世界にさきがけて実施してきた。本書は,その福祉国家建設の経緯とスウェーデンの家族を通してみた福祉社会の実態に関する報告書ともいうべきものである。著者はすでに15年以上もスウェーデンで生活をしており,いわば15年にわたってスウェーデン社会の参与観察をつづけていたといってもよいであろう。社会福祉,老人の孤立,性と生殖をはっきりと区分した性教育,中立外交政策,オムブツマン制度,情報公開の原則などが話題にあがるたびに,北欧のスウェーデンがいつも引き合いに出される(著者あとがき参照)ように,こうした問題に関心のある人々にとっては,本書は格好の入門書となるであろう。本書の構成は次の4章からなっている。
第1章性が解放された社会の光と影(性解放の実際,事実婚の時代,スウェーデン式離婚法,男と女の役割,父親の育児,夫婦の財産契約)
第2章女性天国は実現したのか(内容省略)
第3章子どもは幸せか(内容省略)
第4章家庭と社会はどこへ行く(内容省略)
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