助産婦事典
分娩監視装置から得られる情報を利用したパルトグラムの記載法
橋本 武次
1
1順天堂大学医学部産婦人科
pp.212-223
発行日 1981年3月25日
Published Date 1981/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205828
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1.はじめに
パルトグラム(分娩経過図)は昭和36年頃1),2)から使われ,ダイナミックに進行する分娩の経過を簡明に記録し把握する極めて手軽な方法として広く用いられている。一方,分娩監視装置も88.5%の病医院(昭和53年)3)に設置されており,昭和35年頃の初期のもの4),5)とは比べ様もないほど進歩してきた。最近のもの6),7)は同じ胎児心拍の情報でもいっそう正確に,しかも安定してキャッチし,さらにはその情報を詳しく解析した結果を信号音として継続して聴取できたり,数値のデジタル表示,カタカナ文字や英文でのプリント・アウト,基線変動の波形を示す記録図および異常を知らせる警報などができる幾多の機能を備えたものまで現われている。パルトグラムを記載するのにこれらの情報を用いれば,従来のトラウベ聴診や触診による陣痛計測を行なう必要はなく,客観的に正しい数値を記入できると考えられる8)。
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