講座
分娩経過図表(パルトグラム)による分娩監視
石原 力
1,2
1自衞隊中央病院診療第2部産婦人科
2国家公務員共済組合三宿綜合病院産婦人科
pp.10-14
発行日 1962年11月1日
Published Date 1962/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202429
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はしがき
最近一部の大病院や産院で分娩経過図表による分娩監視が行なわれ出している.筆者は1960年これを初めて考案し,われわれの病院(自衛隊中央病院および国家公務員共済組合連合会三宿総合病院)で実施してみて,その有用性を確認し,翌1961年2月に日本産科婦人科学会東京地方部会でその成績を発表した.以来分娩経過図表に対する一般の関心がたかまり,筆者のところへ照会してきたり,また実際に見学に来られた方々もかなりあつた.したがつてわれわれの分娩経過図表はかなり全国にゆきわたり,大学病院や一般病院,あるいは産院などで現在これと同一のもの,あるいは類似のものを使用されている向きも少なくない.またその後筆者のものを基礎として改変された人もあり,現在数種類の分娩経過図表が存在するようである.そこでその規格を学会で統一した方がよいという有力な意見(小林教授,安井博士)もでている.筆者もこれには発表者としての責任を感じているが,しかし,このようなものは,細かい点では各人それぞれの意見や好みがあり,またその病・産院の状況にも左右される所が大きいから,一つのものが抵抗なしに万人に受入れられるとは考え難いのである.
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