特集 「成育医療」がめざす周産期のケア
パルトグラム電子化の取り組み
阿部 聖世
1
1国立成育医療センター周産期病棟
pp.636-640
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100566
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当センターでの分娩
まず,国立成育医療センター周産期病棟での分娩を簡単に説明する。
当センターには,一般の病棟にある「陣痛室」や「分娩室」といった特別な部屋はない。分娩のすべてはLDR(Labor,Delivery and Recovery)で行なわれている。LDRは6室ある。
LDRの部屋の外には,6階だが小さな庭園が造られており,景色もやわらかい感じに仕上がっている。周辺に高い建物は無く,晴れている日は遥か正面に富士山が見える。夜は東名高速道路の光が緩やかなカーブを描きながら輝いており,絶景の夜景である。部屋のカーテンは遮光で,照明もすべて間接照明を使用しているので,産婦は,自分の好きな明るさや景色を選んで分娩第1期を過ごす。また,部屋の中にはアロマポットやCDラジカセ・ソファー・テレビ・冷蔵庫・アクティヴチェアー・ボールなどが用意してあり,自由に使用しながら,自分らしく過ごしてもらうことができる。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.