実践報告
分娩経過記録を充実させるための取り組み―パルトグラム記載基準を作成したことによる効果を探る
瀬ノ口 恵美
1
,
奥村 良子
1
,
中村 聖美
1
,
村瀬 純子
1
,
石川 恵
1
,
江崎 章子
1
1小倉病院成育医療センター産科
pp.152-158
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100148
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はじめに
分娩経過記録(以下,パルトグラム)とは,分娩第1期から第4期まで分娩の進行状況を経時的に記載するものである。パルトグラムは分娩経過の観察,予測と診断,母児の管理,分娩の結果の記録という点を重視して記録しており,一般的には,陣痛の間隔,児心音の状態,内診所見など分娩の進行状況が一目でわかるようなグラフ形式のものが多い。当病棟では以前よりデータベース,分娩・新生児・胎盤の状況を助産録に記録し,パルトグラムとあわせて使用していたが,分娩室緊急帝王切開術が行なわれた事例の振り返りを行なった際,その記録だけでは分娩進行状況やスタッフの対応などが詳しくわからなかった。福井1)は「医師や次のシフトの助産婦やご家族など第三者が読んでも分娩経過がわかり,また説明を求められた時に分娩の直接介助者以外の者でも記録を見せながら説明できることを目標にする」と言っているが,私たちもその点を目標に記録の充実に向けて取り組んだので,ここに報告する。
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