特集 妊産婦と食生活
母性栄養とその考え方
本多 洋
1
1東京大学
pp.210-217
発行日 1980年4月25日
Published Date 1980/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205688
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I.母性栄養の意義
健康を保持するために栄養が重要な役割をもつことはいうまでもない。特に女性においては,妊娠・分娩・産褥・育児の過程において,発育のもっとも盛んな時期の胎児を養い,分娩という重大な変化に耐え,母乳を分泌して育児につとめるという,非常に重要な作業すなわち母性としての役割を果たすため,これにかかわる健康保持のうえにいっそう栄養が大きな意義を有する。
生まれる子どもが健全で十分な発育を遂げ,かつそのために母体の健康がそこなわれることがないように,体成分の動的平衡を保つことが母性栄養の目標である。
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