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特集 母と子のきずな
産褥期の母子関係—maternicityについて
SUSAN M. LUDINGTON-HOE Postpartum: Development of Maternicity
横尾 京子
1
1淀川キリスト教病院
pp.568-571
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205432
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施設分娩において,母児同室制は,母子関係・母乳栄養といった面から願ってもないシステムである。したがって,異室制をとる病院で働く私にしてみれば,周産期の母子関係を阻害する環境を母児に提供してしまっているともいえる。しかし,異室制であることを単に構造上の問題として放棄する前に,病院のルティーンである母子分離という現状を再検討する必要がありそうだ。同・異室制に拘らず,母子の絆を強める礎は,母子行動を理解し必要時援助する看護者の姿勢,つまり,母子関係の発達過程の良否を診断できる看護者の姿勢によって,病院のルティーンを母子のために,家族のために柔軟性のあるルティーンとして維持していくところにあると思う。
既に,母子関係については,Marshall H. Klaus等の先駆的研究があり,その恩恵を受けている。さらに,S. M. LundingtonhoeのPostpartum:Development of maternicityでは,maternicityの発達に関する看護診断の指針となるべき母子行動が述べられている。この文献から,maternicityの概念,maternicity発達上の母子行動について記してみた。
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