Medical Scope
NST—ノン・ストレス・テスト(2)
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.388
発行日 1978年6月25日
Published Date 1978/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205395
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さて,NST—ノン・ストレス・テストの実際をお話しましょう。分娩監視製置(外測法のもの)を妊婦に装着してみて下さい。まず,胎児心拍数モニター用の器具をとりつけ,ついで,子宮収縮を記録するトランスジューサーをつけて記録をはじめましょう。子宮収縮の線をみて下さい。まだ,分娩開始前の症例ですから1本の直線になっていて,子宮収縮の曲線はでてこないはずです。ところが,時々,この子宮収縮の線がギザギザになることがあります。子宮収縮はなめらかに山の形の隆起としてでてきますが,これはそのような形とは違って,ギザギザがたてにほんの少しの間出現して,また,一定期間すると出てくるものです。このタテのギザギザの変化は胎児が動いたこと,すなわち,胎動を意味します。この胎動が出現した時の,ちょうど真上の胎児心拍数のパターン記録をみて下さい。ギザギザの下の線のゆれに一致して,胎児心拍数がゆれているのが分りますか。ことに,少し数が多くなっていて,胎児心拍数の線は上へずり上っているようにみえませんか。これが,今日の目的のNST—ノン・ストレス・テスト陽性,活動型の所見なのです。ただ,だまっていて,この所見をキャッチするのがNST—ノン・ストレス・テストなのです。
さて,それでは,もっと詳しくお話しすることにします。
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