今月の臨床 一歩先行く超音波胎児検診
妊娠中期
5.頸管観察とストレステスト
沖津 修
1
1町立半田病院産婦人科
pp.612-613
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904337
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経膣超音波断層法で頸部・頸管を観察する手法(ここでは頸管超音波と呼ぶ)が発達し,早産予知に臨床応用されている.とりわけ,頸管無力症の診断に頸管超音波は有用である.しかし,頸管無力症はall or none phenomenonではなく,さまざまな程度の機能不全症が存在するとされる1).頸管の機能不全が軽度であれば,自然な状態(nat—ural view)で妊娠の早期から早産サインを検出することは困難である.このような症例では妊娠早期でも圧負荷をかけると早産サインと考えられる形態の変化が出現することがある.すなわち,子宮底を圧迫したり,妊婦に咳や怒責を加えさせたりすることで子宮内圧が上昇すると,内子宮口開大や頸管長短縮が誘発される.これらの手法は,早産リスクのある症例をいち早く検出することができるので,早産予防を早期に講ずる機会を与えてくれる.頸管超音波の詳細については他書2)に譲り,本稿では頸管機能不全症を早期に検出するための手法,すなわち頸管のストレステストを紹介する.ストレステストには現在のところ,妊婦を立位のままで検査する方法,妊婦にいきみをかけさせる方法,検者が子宮底を圧迫する方法,子宮収縮時に検査する方法などがある.
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