Medical Scope
NST—ノン・ストレス・テスト(1)
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.327
発行日 1978年5月25日
Published Date 1978/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205384
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第3回周産期医学国際シンポジウムのセミナーは,昨年と同様に,アメリカの砂漠の都市ラス・ベガスで,3月20日から23日までの4日間にわたり開催されました。私はこの会議に出席する機会を得ましたので,そこでの新しい話題で,助産婦諸君の参考になることを数回にわたって述べてみたいと思います。今日は,その第1回として,NSTという胎児管理法のひとつを御紹介します。NSTといっても,諸君にはあまりなじみのない言葉だと思いますので,これについて少し説明しましょう。
まず,日本の分娩施設にも,ずい分と普及しました分娩監視装置を用いて,胎児心拍数を記録する方法のひとつなのです。日本で普及している分娩監視装置というのは,いわゆる外測法で,母体の腹壁にトランスジューサーをあてて,胎児心拍数をモニターするものですが,これは,実は分娩時にはあまり役にたたなく,それ以前の,これからお話しするような分娩前の胎児監視に非常に役にたつのです。したがって,分娩監視装置というより,胎児監視装置というのが正しいかも知れません。英語でも,fetal monitoringといい,胎児をモニターすることを意味しています。
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