私と読書
「子殺し」「未婚の母」をめぐるミステリー—長編推理小説「霧氷」を読んで
加藤 チエ子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.520-521
発行日 1977年8月25日
Published Date 1977/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205257
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育児ノイローゼや産後のイライラから発生するわが子殺し,母親本人の自殺事件をマスコミ等で見るにつけ,聞くにつけ,母性としての人格の問題,現代社会の人間関係の複雑さを考えずにはいられない。本年5月,朝日新聞で"かたすみの家族"という連載があった。私たち母性看護に携るものとして,何が問題であるのかを考え,今後の働きかけはどの辺にあるのかを思い出さねばなるまいとつくづく思うのである。そうした時,推理小説で母性問題をとりあげた1冊の本を手にした。この書を通して,ある一面から"母性"というものを考えさせられたので紹介したいと思う。
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