社会学的視座から家族をみる・VI.
いえ—その2
北原 龍二
1
1信州大学教育学部社会学研究室
pp.555-557
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205102
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1.「いえ」と女
先月号で述べたような「いえ」のなかで,女はどのような位置におかれ,どういう特性を与えられるだろうか。いや,もうすこし正確にいった方がよい。「いえ」に代表されるような,集団単位の社会,集団主義の社会において,女はどういう女となり,なることを求められるかである。
よくいわれるように「よめ」とは「いえの女」と書く,ある個人の妻でなく,その個人をつつむ集団である「いえ」に所属する女という意味である。そうであれば「よめに行く」ことを,欧米流の結婚と同義に考えることはできない。それは一つの「いえ」から別の「いえ」に所属を変え,「今日からこのいえのひと」となることなのである。
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