社会学的視座から家族をみる・II
型にはまった結婚
北原 龍二
1
1信州大学教育学部社会学研究室
pp.308-311
発行日 1976年5月25日
Published Date 1976/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205041
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1.結婚をとりつつむ社会的装置
法律用語では婚姻,日常語では結婚と呼ぶものについて,いくつかの側面をとり上げ考察してみよう。
結婚は若い未婚の女性にとって,最大の関心事であるという。もろもろの文芸においても,結婚を中軸にすえた筋の展開が,広く見られる。また今日では,「結婚産業」とまで称される一連の企業活動が,さかんである。その一翼をになうある旅行案内社のパンフレットによれば,新婚旅行は国内と国外とに大別され,それぞれ多数の「セット旅行」が用意されているが,前者については,「幸せの中にゆれて,ただじっとしていたい,誓いの休暇!」,後者については,「ふり返れないほど遠くへ,連れ去ってほしい,誓いの休暇!」というキャッチ・フレーズがそえられている。
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