助産婦事典
前回帝切妊婦の取扱い—最近の知見
本多 洋
1
1東大分院産婦人科外来
pp.558-562
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205103
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1.はじめに
帝王切開手術の歴史は古く,外国におけるこの手術の最初の記録は,イタリアで1540年,Christoph Bainという医師が手がけ,ドイツでは1610年,Jeremias Trautmannという外科医が行ったといわれている。
わが国では,1852年(嘉永5年)に蘭医の伊古田純道という人が,秩父でこの手術によって死んだ胎児をとりだしたことが記録されている。明治以降では,1885(明治18)年に,福岡医学校および東京大学で行われたという。この当時は帝王切開とよばず,国帝截開術という呼称がされていた。
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