社会学的視座から家族をみる・Ⅳ.
親と子と—その2
北原 龍二
1
1信州大学教育学部社会学研究室
pp.439-441
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205078
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1.いわゆる核家族
核家族ということばほど,社会学の専門学術用語でありながら,広く一般に使われているものはないといわれる。現に,新聞,雑誌はもとより,いたるところでこのことばは多用されており,さらには,次に示すように,議論の根拠にされていることもまれではない。例えば「育児ノイローゼの若い母,子を殺して自殺,核家族の悲劇,「核家族の増大で,少年非行ふえる」といったような新聞記事の見出しがそれである。
結論をまず述べれば,核家族ということばのこのような使い方は,全く誤りである。多用が乱用となり,誤用を生んでいるといわねばなるまい。
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