栄養指導の実際
6.糖尿病妊婦への食事指導
西原 豊子
1
1東京都済生会中央病院・食養科
pp.372-373
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205056
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糖尿病は欧米に多く,目本では比較的少なく,しかも高年齢者の病気とされていたが,わが国でも食生活の改善で食事内容が欧米に近くなり,糖尿病は段々と増加している。それにつれ若年者の糖尿病の発現も多くなっているので,妊婦の糖尿病に関心がもたれるようになった。インスリン発見前の糖尿病婦人の妊娠率は非常に低く,約2%前後とみなされていたが,インスリンの発見により妊娠率は非常に改善された。また今までは妊娠することで糖尿病は悪化すると考えられていた。
糖尿病の婦人が妊娠すると種々の合併症(特に中毒症)のために50〜80%と非常に高い妊婦の死亡率がみられたが,現在は2%弱に著減しているといわれる。また児の死亡率も14〜25%から近年ではその1/3以下に減っているといわれる。この死亡はいずれも糖尿病でありながらその治療をおこたったものに多くみられるようである。
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