わたしの分娩体験記
助産婦ならでは?!の分娩体験
酒井 和子
1
1国家公務員共済組合連合会稲田登戸病院産科
pp.59
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204810
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木々の緑が少しずつ色づき始めた今頃,そろそろ満1歳を迎えようとする息子をながめながら,去年の分娩の時のことを思い出している。去年の11月1日に3,020gの男児を出産した。私は助産婦なんだからお産のお手本を示してやろうなどと結婚する前から考えていたが,いざ妊娠してみると1つ1つのことに何んと感激するものか自分であきれてしまうほどだった。
まず第一にドプラーで心音が聞えたこと,第二に胎動……妊娠すれば当然だし,むしろ順調なのにそれが不思議な気がした。つわりも軽くすぎ,心配した切迫症状もなく,大きなお腹をかかえて勤務し,時には反対に患者さんに心配してもらったり,また病棟スタッフの暖い協力を背中に感じ産休に入れるまでになり,いつもの助産婦としての仕事の場に今度は患者として入院した。
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