特別寄稿
長期入院体験をした助産婦からの具体的提言
三村 春美
1
1HARU・レディース&マタニティ倶楽部
pp.684-689
発行日 1995年8月25日
Published Date 1995/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901304
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はじめに
すべての妊婦は妊娠期間を順調に過ごし,無事満期で出産を迎えたいと願っている。しかし妊婦のなかには長期におよぶ入院の必要が生じたり,流早産,死産という悲しい結果を迎える人もいる。そのような妊婦の精神的・身体的苦痛は大変大きく,思いもかけない出来事に困惑し悲観的になったり,その後の生活に大きく影を落とすこともある。家族にとっても不安な日々を過ごすことになる。私たち助産婦は妊婦とともに家族に対しても十分配慮していかなければならない。
現在は病産院での出産が大部分を占めるが,よい面がある一方で,大切なことが忘れられ,失われている感は否めない。妊産婦にとっては日常生活と一転した生活を強いられ,プライバシーが守られにくく,また一人ひとりの希望がかなえられる機会もないまま,ただがまんさせられていることがあ家りにも多いのではないだろうか。
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