特別寄稿
真の助産婦へのめざめ—分娩・育児を体験して学んだこと
直井 亜紀
1
1なおい母乳育児相談室・出張専門
pp.611-616
発行日 1999年7月25日
Published Date 1999/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902210
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はじめに
平成9年3月2日,雲一つない春の穏やかな日に,娘はこの世に誕生してきた。私は娘を胸に抱きしめた。この手が,この足が私のおなかの中で動いていたんだ。元気に産まれてきてくれてありがとう。私のもとに産まれてきてくれてありがとう。体の底から溢れ出てくるようなあんな興奮を初めて感じた。そして,世界中の人々にお礼を言って回りたいような,ほとばしる感謝の気持ちを感じたのも初めてのことであった。
あの日の興奮は今思い出してもまだゾクゾクする。決して大袈裟ではなく,何一つ不満のない心身共にベストな状態で分娩ができたこと,その感激が今の楽しい育児につながっていると,私は信じて疑わない。
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