報告
訪問看護による乳児保育の一考察
山下 きく
1
1青森県田子町役場
pp.40-42
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204577
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1.はじめに
就職した田子町は青森県の最南端に位置し,岩手県と秋田県の県境近く,243Km2という広大な面積を有する地域で,その75%が山林・原野という山の町です。この町は乳児死亡率,未熟児出生率が高く,昭和29年には全国平均が出生1,000人に対し44.6であるのに対し,県平均は66.2%,田子町に至っては138.1の高率で,町の年間出生者約200人のうち27人が死亡している。
町の保健婦活動の歴史は非常に浅く,昭和35年に1人の保健婦が1年活動し退職,その後空白をつづけ,やっと40年に青森県に派遣保健婦制度ができ,40年4月から派遣保健婦1名による活動が展開された。40年には乳児死亡率は30.4,41年42.0,42年53.1,未熟児出生は40年169.6,41年104.9,42年122.1で,いずれもいぜんとして高率を占めている。また,母子衛生向上で重要とされる妊娠の早期届出(妊娠5か月以内)は,39年13%,40年12%,41年35%,42年42%と年々上昇はしているが,他に比較すると低率である。
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