連載 新生児の異常
新生児期の体重増加不良
村田 文也
1
1東京都立母子保健院
pp.44-49
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204578
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
新生児期の栄養は,下記の三つの点において特に重要な意義をもつ。すなわち,
1)新生児期は母乳栄養確立の第1歩として重要な時期である。
2)体重増加不良は,栄養方法の誤まりのほかに,重大な疾患が存在する可能性がある。例えば,敗血症の初期には,哺乳力低下,何となく元気がない,体重がふえない,などのほかには特徴的な症状を示さないことが多い。
3)最近,新生児期に栄養失調であった児では,幼児期になっても成長が正常児に追いつかない傾向があり,また,或る程度の精神発達の遅れが認められることも報告されている1,2)。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.