研究・調査・報告
褥婦食の実態とそのあり方
青山 ミヤ子
1
,
田上 佳子
1
,
宇田川 レイ
1
,
佐々木 美代子
1
,
川守田 良江
1
,
城 恭子
1
,
松田 ミヨ
1
,
椎名 美博
1,2
,
土門 洋哉
1,3
1市立札幌病院産婦人科
2現:芦別市立病院産婦人科
3現:札幌厚生病院産婦人科
pp.36-39
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204576
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1.はじめに
産褥時期の栄養に対しては,消化されやすい栄養豊富な食物を十分にあたえることが望ましいし,泌乳に対しての考慮もされなければならない。しかし分娩直後の褥婦は,一般的に1週間前後の入院であるので泌乳に対するものよりも,分娩時の疲労回復に重点をおいた食事を考えるべきであろう。
この観点から,分娩直後の褥婦に対する栄養には,わが国の栄養所要量表の授乳期のものよりは,消化・吸収の点を考慮した妊娠後期栄養所要量のほうが適当であると考えられる。しかし入院褥婦に対する病院給食において特別の配慮をしているところはいまだ数少ないようである。当院でも入院褥婦の食事は一般患者並みに扱われている。母子衛生に関して最も啓蒙すべき立場にある病院がこのようなことでは,妊娠中,授乳中の栄養の重要性をいくら叫んでも虚声に聞えるはずである。
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