特集 乳児死亡ゼロをめざして—福島県田村地方の母子保健活動30年
開拓保健婦の歌
乳児訪問
会田 ハツ子
1
1三春保健所
pp.530-531
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205894
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赤ん坊が生まれたので見に来てほしいと連絡があり,地域の保健婦と開拓地へ登って行った。住宅を見上げて登れるかなと思うほど急斜面の所にあり,私は2mほど這い登った。姑のおばあさんが,「今日で生まれて20日にもなるのに,だんだん小さくなっていくようだから,来ておくれって連絡しやした」「そうですか,では赤ちゃんをさっそく見せてください」と言って,隣りの室に案内してもらった。暗くて何も見えない。すぐ電灯をつけてくれたが,豆電球なのでやっと乳児のいるのがわかる程度である。一緒に行ってくれた役場の保健婦は,着物をぬがせ始めたので,懐中電灯を出して手許を少しでも明るくと思い,光りを当てた。
かかること許るさるべきかミイラの如く痩せいる乳児しばらく見つむ
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