研究・調査・報告
褥婦から発信されたメッセージについて考える―おしゃべりノートの効果と看護支援のあり方
石本 泰子
1
,
橋岡 貴志子
1
,
小松原 京子
1
,
三島 真由美
1
1国立浜田病院産婦人科病棟
pp.72-76
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100652
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緒言
年々少子化傾向にある現在,1人の女性の出産体験は,より貴重な人生の一大イベントとなってきている。この数少ない出産がよりよい体験であることは,母児の安全の確保ばかりでなく,今後の育児に影響していくことになる。そのため,よりよい出産を体験し得ることは意義が大きい。
そこで,当院では平成13年より褥婦の入院中の精神的サポートを目的に,褥婦自身の出産体験・授乳経験を含めた感想などを,無記名による自由記載としたノート,「おしゃべりノート」への記載の導入を開始した。
実際,この導入を開始してみると,褥婦自身がこのノートに時間を追って分娩経過や授乳体験などを書くことで,自分自身を冷静に振り返っていた。また,同じ褥婦仲間へも子育てに対する応援メッセージを送っており,このノート開始本来の目的とは違った意味合いの活用方法があることもわかった。
そこで私たちは,褥婦がノートに書くという行為を通して発しているメッセージを分析して,このノートが持つ効果について考察した。そして,そこから私たちの看護支援のあり方の方向性を導きたく本研究を行なった。
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