連載 ほん
己が自身の"弱い地位"を照射しつつ
塩原 経央
pp.56
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204422
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本誌の巻頭グラビアでおなじみの川上重治氏の写真集『もぐらのじだんだ—ちえ遅れの子—』が読売新聞社から刊行された。川上氏は数年前,『生の証人たち』(現代書館刊)を上梓しているが,十数年にわたって,ちえ遅れの子や老人,夜間中学生,身体障害者などを,一貫して写してきている写真家である。
俗っぽい言い方をするなら,氏のカメラは,力弱い人たちの不当な社会的地位ばかりを追っている。
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