特集 全国助産婦学校学生研究
—九州大学医学部所属助産婦学校—分娩後1カ月健診時の保健指導
江藤 孝子
,
谷口 直美
pp.110-113
発行日 1969年6月1日
Published Date 1969/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203771
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1.はじめに
赤ちゃんは日々新しい感動をもって生きている.そしてその中には私達の知らない力が沢山かくされていることであろう.母親はその子のもっているものが伸ばされていくことを確信し,その子の価値を認め,育児に対する自信をもつ,このような態度が母親自身に認識されるならば,子供の能力はもっと伸びてゆくであろう.
助産婦はその母親を指導するという大役をもっている.妊婦に育児の話をしてもあまり興味を示さない.育児のことは,自分の子供をもってはじめて実感としてわいてくるのであろう.入院中や退院時の指導は非常に大切であるが,入院中の1週間は母親としての自覚認識よりもはじめて接するわが子の世話に心身ともに疲れがちである.分娩後1カ月も過ぎると,やっと新しい母親としての自覚が高まり育児に対する関心も必然的に強くなってくる.このような理由で分娩1か月後の健診の機会を捉えて育児の指導を行ないその効果を研究することにした.
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